今回は海外と日本と両方で前撮りをした先輩カップルの想い出エピソードです。

私は現在、国際結婚をし、外国人の妻を持つ日本人です。当然結婚式は相手の方の国と、日本で行いました。自分が外国に住んでいたため、相手の方の国でまず結婚式をすることになりました。特に奥さんやまたその家族が写真好きだったために、たくさんの写真を撮ることになりました。つまり外国で前撮りをすることになったのです。

最初に準備しなければならないのは、奥さんのウェディングドレスでした。少し高価でしたが、どうにか調達し、自分も結婚式の当日に着る予定のスーツに着替え、蝶ネクタイをし写真撮影に臨みました。まず最初に撮影に訪れたのは山でした。きっと多くの人は何で山なんかに行くんだと思うかもしれませんが、私たちの住んでいた国ではかなり大きな山で、しかも絶景が見れる名所がありました。そこでは色々なものを題材にして、写真を撮ることができました。当然、山にいますから大きな木を背景にしたり、さらにはその土地にはアルパカやロバ、さらには馬もいましたから、いろんな動物との撮影をすることもできました。特に面白かったのは、現地のカメラマンに指定されて色々なポーズや小道具と共に写真を撮ったことです。現地のカメラマンは普段から写真を撮ることに慣れていますからワインボトルやフルーツなど様々な小道具を準備して私たちが何かのドラマのストーリーの一コマであるかのように写真を撮ろうとしていました。正直その人が何をイメージしてるのかはっきり分かりませんでしたから、私も妻も少し恥ずかしかったのを覚えています。とはいえその時行った山は、周りに人があまりいなかったので指定されたポーズをしたとしても、誰も見てないからいいや、という気持ちになり徐々に緊張は薄れていきました。

中でも記憶に残っている1ショットがあります。私と妻そして妻の家族がその場にいました。また私たちと仲の良い友人達もいたのですが、カメラマンは突然全ての人に声をかけて、全員一緒に歩くよう指示を出しました。そしてそれぞれが道のどこを歩くのかも、具体的に指示します。例えば友人や奥さんの家族は出前外に向かって歩いてきて、そして私たち夫婦が前方に向かって歩きます。つまり途中で交差するということです。そして、ちょうどすれ違った後にそれぞれが後ろを振り向いて、親しい友人や家族の顔を見ます。当然反対が歩いてる子たちは全員私達の顔を見るわけです。そのようにしてそれぞれがお互いを向き合っている場面を撮ってくださいました。その写真にどういう意味合いが秘められているかどうかわかりませんが、後で写真を振り返って見てみるととっても綺麗に撮れていました。大自然の中の真ん中にある道で大切な友人と家族を振り返りながら見つめているという光景です。このような、外国での結婚式の前に撮った写真を式後に振り返るととても嬉しい気持ちになります。

さらに、日本で結婚式を挙げる前にも前撮りをしました。もちろんこの時の服装は外国でしたときと大いに対照的です。妻もその時初めて振袖を着て満足そうでした。写真を数枚撮るだけですが、着物を着るだけでも一時間ぐらいかかりました。もちろん着るだけの時間と言うよりは、専門の美容の方ににお化粧してもらったり髪飾りをつけてもらったりしていたわけです。特に外国から日本に帰ってきた私たちからすると印象的であった写真がいくつかあります。日本独特の花と共に写真を撮ったことです。

lo04s

私たちが住んでいたところでは桜がありませんでした。しかし日本では桜が満開に咲き、春になると多くの人が花見を楽しんでいます。ちょうど春の時期に日本に滞在していた私たちはそのような綺麗な花と共に写真を撮ることができました。たまたま時期が春だったので計算したわけではありませんが、実際満開の桜を目の前にしてみると感動を覚えます。自分自身も故郷を思い出します。さらには前撮りで、日本庭園のある公園に行き写真を撮っていただいたことを覚えています。そこには大きな池とその真ん中に綺麗な橋がかかっていました。また池の周りには花が咲いていましたし、小川も流れていました。そし日本独特の風景と共に写真を撮れたことは私たちにとって貴重な思い出です。文化の壁があったとしてもそれぞれがそれぞれの国にある特徴的な風景や洋服魚身につけて写真を撮影することにより、私達自身の関係がより親密になっただけでなく、一緒に写真を撮った家族との関係も親しくなることができました。お互い写真を見るときに、それぞれの文化に敬意を払ってくれていることを感じることができるからです。しかし、結婚式の前に事前に写真を撮っておくという文化は両方とも変わりません。しっかりとした下準備のもとに結婚式を迎えることができましたから、余計な煩わしさもなく無事にすることができました。

041513select0037

写真の前撮りは最初のイメージだと簡単なものだと思っていました。しかし実際にはプロの人にお願いして撮ってもらうことにより、素早くそして何よりも後で振り返った時に気持ちよく見ることができる写真を撮ってもらうことができました。前撮りの写真がたくさんあるので、結婚記念日にはいつもそれを振り返るようにしています。そして写真がなければ、結婚式の忙しかった思い出だけしか残らなかったかもしれませんが、無事日本の結婚式も終えることができました。事前に写真を撮っておいた分当日式そのものを十分に楽しむことができました。これは本当に前撮りのおかげだと当日実感したのを覚えています。